宗団と教義

 

宗派

真言宗智山派

 

宗祖

弘法大師空海
 弘法大師(774〜835)は、804年、留学僧として入唐して長安の青龍寺にて
 密教の第七祖恵果和尚より密教の金剛、胎蔵、伝法の三つの潅頂を授かり、
 密教の第八番目の祖師となられました。

 日本へ帰国後、真言宗を立教開祖するだけでなく、我が国の国語教育に大きな業績を上げられました。
 62歳にて高野山にて「御入定」されます。

 「御入定」とは単なる人の死ではなく、死を超えられて不死の境地につかれたことを意味します。

 

中興の祖

興教大師覚鑁
 興教大師(1095〜1143)がご活躍された時世は、高野山が非常に荒廃しておりました。

 興教大師が、高野山再興の願いを起こされ、伝法院を建立し、教学振興の伝法会を復活させました。

 また、「密厳院発露懺悔文」を作り、僧侶の権力闘争を戒め、高野山の混乱を平静へと戻されました。

 このような功績から興教大師覚鑁上人は「中興の祖」と呼ばれております。

 49歳の若さで、根来寺にて入寂されました。

大日如来
 「大日如来」とは「摩訶昆廬遮那如来」のことで、「摩軻」は<大>、
 「昆廬遮那」は<遍く照らす>という意味です。

 宇宙全ての身体、自然生命の源が「大日如来」であると考えられております。

 不動明王、観音菩薩、地蔵菩薩、薬師如来、阿弥陀如来など全ての仏菩薩の本体は
 「大日如来」に他ならないと言われております。

 

教義
 真言宗の教義の全てを、短い文章で述べることは容易ではありません。

 真言宗の教義の特色を述べるとしたら、「即身成仏」と「三密加持」の
 二つであると申しても良いでしょう。

 「即身成仏」とは「この身、このまま、この世において成仏する」と説くことで
 その「即身成仏」に至る修行方法のことを「三密加持」と申します。

 私たちの生活活動は、「身体活動、言語活動、精神活動」の三つによって成り立っております。

 この三つの活動のことを「三業」と申します。

 それに対し、仏の「身体、言語、心意」の三つの活動のことを「三密」と申します。

 「加持」とは、我々凡夫の力に仏の力が加わり合わさることを表しますので、
 私達の「三業」と仏の「三密」が、融合することを「三密加持」と申します。

 「即身成仏」と「三密加持」の二つが真言宗の教義の特色であると言えるでしょう。

 

ご宝号
 「南無大師遍照金剛」 (弘法大師のご宝号)
 「南無興教大師」 (興教大師のご宝号)

 

総本山
智積院(京都市東山区東山七条)

 

総本山別院
真福寺(東京都港区愛宕)

 

大本山
成田山新勝寺(千葉県成田市成田)
川崎大師平間寺(神奈川県川崎市川崎区大師町)
高尾山薬王院(東京都八王子市高尾町)

 

別格本山
高幡山金剛寺(東京都日野市高幡)